左胸のブローチと両薬指の指輪が華やいで、髪はイヤリングが見え隠れする程の長さで、白いシャツブラウスに黒いベストとすっきりと上品な装いで見目麗しい順子さん！
本当に待ち焦がれておりました。
アマール・アマールの歌が流れ、司会の河合真美江さん（大阪本社編集局記者）が紹介されるのを、優しい愛情溢れる微笑みで聞いていらっしゃいました。
『こんにちは！ありがとうございます。皆さんの声も顔も届かないのは初めてです。熱いメッセージを頂き嬉しかったです。最後まで楽しんで下さい』と嬉しい第一声です。
河合さんが新聞記事や参加者の皆さんの中には大阪女学院の後輩や、ファン歴が長い方などからメッセージが沢山届いている事を話され、順子さんの〔宝塚時代の主要出演作品〕の紹介をされます。
ボードに作品名と年号が並んでいるのをご覧になった順子さんが『過去を追わないで』と冗談交じりにおっしゃいます。
すると河合さんが「過去を振り返らない女でしたね」と答え、姿は見えませんがスタジオ内のスタッフから笑い声が漏れ、漫才が始まるのではという雰囲気でのスタートでした。
最初のコーナーは、順子さんの素敵な〔お写真紹介〕です。
最初の写真は【ご幼少時代のとても可愛い１枚】;
『洗濯バサミで鼻をどれ程摘まんだことか。鼻の低さがいじらしい』と白黒写真の髪に付けているリボンがピンクだったと教えて下さいます。
 続いては【おさげ姿の中学時代と髪を短くした高校時代の２枚の写真】
三つ編みはいつもお祖母様が編んで下さり、遠足などの特別な日は黄色いリボンのポニーテールだった事、オペレッタの男役の為に、髪を切らざるをえない事に抵抗があり、何度かに分けて髪を切られた事を教えて下さいました。
次は【音楽学校時代の制服姿と事務所前での可愛いワンピース姿の写真】
在団中に出版された写真集からの２枚で、音楽学校時代はのびのびとのどかな時代で、楽しく遊び、ピアノが好きで学校へ通っていらっしゃったと、改めて写真をご覧になり懐かしいとおしゃっていました。
次の２枚は【入団２・３年目のコート姿と着物姿のお写真】
『女らしいこと、しゃれたコートを着て…少女やわぁ』と愛おしんでいらっしゃいました。
次は【九州と石川県の地方公演のカラー２枚】と【大阪駅と札幌地方公演のカラー写真２枚】
『全然記憶ないねぇ。北海道から沖縄まであらゆる所で作品をお届けしたので、遠い昔の話でした』と述べられます。
朝日新聞が保管していた【郷ちぐささん、岡田先生、吉崎先生４人でお稽古場風景】
ポリープ切除手術で筆談をしたことや、女学生時代ソロで歌われた♪からたちの花を歌われ、素晴らしいソプラノを披露して下さいました。
『あの頃、訓練してソプラノに向かっていたら違ったかなぁと思っています』おっしゃる順子さんに「〈男役の声が好きです〉とのメッセージが届いています」とすかさず河合さんが紹介されました。
【退団時の記者会見写真】
当時はベルばらの後だったので、記者会見を開くようになったそうです。
【朝日グラフのカラー表紙のお写真】
最後の大階段を白いお衣装で退団されたことが特集だった事に『袴は穿かなかったかなぁ～？』と忘れていらっしゃいます。
順子さんの『宝塚のファンの方は、何でいつまでもあんなに若いの？』に
「それはタカラジェンヌの方からエネルギーを貰っているから」と河合さんが答えると
『イヤイヤ、宝塚の空気感が少女の時の想い全てをそのまま背負って、ず～と時が流れていて。
そのまま止まっているとは違うのよ。
若さを保っていて、いつお会いしてもファンの皆様が変わらないので。
私はちょっと慌てますよ。ガタガタやから』とおっしゃられます。
順子さんはいつも、私たちのことをそんな風に見ていらっしゃったのですね。びっくりです。
【宝塚歌劇の殿堂に展示の５品の写真】
順子さんは新人賞で頂いた盾をご覧になり、当時の舞台の様子をセリフ混ざりで可笑しく話されます。
笑って聞いていらした河合さんが、順子さんの余りに楽しく一生懸命話されるお姿に、一瞬放心状態になられます。
順子さんは『笑って！』と突っ込んで
『何の反応もない。ライブで生きて来たのでお客様の笑い声など聞きたいけど聞こえてこない、寂しいわぁ！』と、
河合さんが「皆さん向こうで笑っていらっしゃいます」
順子さんが『朝日新聞の皆様のお心でこんな経験出来ないことをさせて頂き、貴重なことです』とお二人の息の合った会話が弾みます。
葦原邦子さんが順子さんのオスカルをご覧になり､描かれた白薔薇の絵を頂いたことが嬉しかったとも述べられました。
ここから沢山届いている熱いメッセージの紹介と質問コーナーです。
Ｑ…沢山の作品に出演されましたが、出てみたかった作品、演じてみたかった役はありますか？
『自分自身が男役をさせて頂きたくとも叶わなかった役は』と思いを込め『菊田一夫
先生の霧深きエルベのほとりのカールと赤と黒のジュリアン・ソレル』と答えられます。
カール役の内重のぼるさんに掛けた『さっちゃん！』という掛け声をご披露され、野心家で少し悪役の方がお好きで、立派な人よりも魅力的だと語られます。
河合さんと「見たいですねぇ、これからお願いします！」
『あのねぇ～出来るわけない』
「いやぁ皆さん思っていますよね」
『ムリムリ！残念やったなぁと思うのです』と掛け合いをされ、ニッコリ微笑まれます。
Ｑ…私達ファンが年を取っても小母さんになっても少女のように「キャアー～！」と言わせて下さる、どうして順ちゃんだけ変わらずにいられるのですか？
『そういう貴女が「キャアー！」と言っているのですから、私よりずっと若いじゃありませんか。
そうしてずっと変わらないお気持ちで見ていて下さることが幸せで、皆さんが楽しんで下さっているだけで、生きてきて良かったと思います』と述べられました。
Ｑ…順子さんのストレス発散方法があれば参考にさせて下さい。私は、順子さんのカッコいいお姿の写真や歌を聴き映像を見て、元気を貰っています。
『ありがとうございます。そういうのが一番嬉しいですね』
と最近はストレスをストレスと思わないようになさっているそうです。
良いか悪いか一人で自由なので、好きな時間に起き、好きな事して過ごされているそうです。
料理番組を見て手帳にレシピを一杯書いては色々と作って、最近は料理がお得意だそうです。
Ｑ…１０歳の時に個性的で不思議な光を放っていた順子さんを見て虜になりました。
学生時代はお小遣いで初日･中日･千秋楽と３回のチケットを買っていました。
朝起きてする事。かかさず食べている物は何ですか？
『牛乳は冷蔵庫に常備して必ず飲みます』と、そして毎日ブランデー入りの紅茶を飲んでいらしたのが、最近は珈琲に変えられたそうです。
“コーヒー”の発音を『東京の言葉だとカフェー、大阪は下から上に行くようにコーヒー 』と冗談交じりに、朝はおうどんやトーストや卵を焼いたりと、その日の気分だそうで『冷凍ほうれん草と卵を炒めてパンの上に乗せるんだぁ～い。美味しそうでしょぉ！』ととても楽しそうに、お茶目でとても愉快なおしゃべりにスタジオ内から笑いが漏れます。
 Ｑ…高校時代に楽屋をお尋ねしたら『きちんと学校に通って勉強してる？』と実のお姉さんの様に気に掛けて下さったことが懐かしく思い出されます。
以前は楽屋口での面会があり、お稽古などひたすら待っているファンの学生に『何してるのお。勉強してるのぉ～、やめときぃ。早く帰りぃ～』と怒っていらしたと、懐かしそうに微笑んで話されました。
Ｑ…サヨナラ公演を宝塚まで泊り掛けで見に行き、差入れた明石焼きのお礼を舞台上で言って下さったことが嬉しい思い出です。
『え！？～まぁ！！明石焼き下さったの？何年前や～記憶喪失よ！その節はありがとうございました』と素敵な笑顔を見せて下さいます。
Ｑ…私は誰が何と言おうと何があろうと昔も今も世界で一番汀夏子さんが大好きです。
誠実でちょっぴり可愛いくファンに優しいお人柄、昔から一つも変わられません。
生きる事に真摯で嘘が無く何事も手を抜かず最後までやり遂げる。自分に厳しく人に優しい方です。
『どうしたぁ～大丈夫？
世界ではあかんで～真摯に生きてきたの？そうかなぁ？ 』と答えられます。
河合さんが「宝塚ファンと言うより、汀夏子さんファン歴が４０何年という方が多かった」と伝えると
『今回わざわざリモートを勉強して参加して下さったならそれは汀のファンでしょ！
ありがとうございます！！』と満面の笑顔の順子さん。
Ｑ…私はコロナ禍ステーホーム中に､ネットで色々見て順子さんに辿り着き大好きになりました。
ステイホーム期間が無ければ出会えませんでした。
自称、無精者で面倒くさがりの順子さんは、パソコン・タブレット・オンライン・ＳＮＳに興味が無く
『誰とも話さない日が何日もあり、携帯もほったらかしにして持ち歩かない｡
どうですか？こんな人いるかなぁ！携帯に依存しないで良かったわぁ早く生まれておいて』と、首を少し傾げて人差し指を立てて振って可愛く微笑んでいらっしゃいます。
Ｑ…順子さんの舞台を初めて拝見したのはベルサイユのばら雪組公演でした。
凛々しくてガラスの様に繊細な美しさがあり「アンドレもうお前はいないのか」と叫ばれた時の衝撃を今も覚えています。
『アンドレ！もう、お前はいないのか！』と言って下さり、戦いのシーンの音楽を口ずさんでリズムを取られます。
スタジオ内から拍手が聞こえて来ました。
ここで♪ばらベルサイユ の切ない歌声が流れて来て、しばし聞き入られます。
ガラスの馬車が出てくる場面で「アンドレ！」と叫んでバタンと倒れた話をされました。
当時のプログラムを紹介され『４７年、時は流れたねぇ』と少しうつむかれて物思いのご様子でした。
「ここでオスカル様のセリフを聞いてみたいなぁ」と河合さんにお願いされ『ドキッ！』と声を出し、胸に手を当て目を大きくされる順子さんが、とてもチャーミングでした。
順子さんは立ち上がり１分程の長いセリフで《毒入りワインのシーン》のオスカル様を再現して下さいました。
「オスカル様！もう泣きそうですよ」と河合さんが一輪の白薔薇を手渡されます。
「もう一声、沖田総司も大好きなのです」とお願いされ
順子さんは、プログラムを出し沖田総司の写真を紹介され、３０秒程の短いセリフで《秋の嵐山での総司と玉勇さん二人のシーン》の沖田総司を蘇らせて下さいました。
『何をさせられるか分らない…、こんな風体でこの顔であのセリフを言わせるこの朝日新聞は！』
 スタッフから「アハハハ」と聞こえてきた笑いに、順子さんも最高に素敵な笑顔で手を振って下さいました。
『本当に思いかけず朝日新聞からお話を頂いて、皆さんと直接はお会い出来ませんが、何かお届け出来て、元気をお渡し出来たならすごく嬉しいです。
皆さんが汀夏子の所に参加しようと熱いメッセージを下さり、長い時を経ても皆様がこうして心を掛けて下さり、いつまでも熱い思いでいて下さることに責任を感じます。
皆さんの気持ちを背負ってどう生きるのか切ない思いで過ごしております。
皆様と直接お会い出来る日を楽しみにしております。
本当にありがとうございました。どうぞお元気で！』
両手を振り、晴れやかな順子さんの笑みでイベントの幕は閉じました。
キラキラ輝いてとてもお綺麗でした｡
今回のイベントで改めて順子さんが生の対話をとても大切にされ、生の反応を感じ取ることを大事にして、とても好まれているお心を感じました。 
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